10代後半の「もう一つの学びの場」を一緒につくっていきませんか
様々な理由で学校に行けない・行かない子どもたちと出会い、彼らとその保護者の方と一緒にフリースペース・コスモを立ち上げて20数年。「生きづらさ」がますますひろがっていく中で、不登校経験など困難な状況にある若者たちがどう社会へ渡っていくか、子どもから大人への移行期を支える取り組みが、社会全体でいま必要とされています。
10代後半の若者たちが、人や社会と出会いなおし、生き方としての「進路」を豊かに模索していける場をつくっていきたい。
私たちはこれまでの実践をもとに、10代後半・青年前期の「もう一つの学びの場」としてコスモ高等部を立ちあげました。ぜひ一緒にこの小さな学び舎をつくり、10代後半の取り組みを社会にひろげていく仲間になってください。よろしくお願いします。
私たちが解決したいのは、不登校の「その後」にある課題
通信制高校の在籍者は20万人超
2020年度、全国の不登校児童生徒数は196,127名。(小:63,350、中:132,777)。10年前の2010年度と比較すると76,236名増と、年々その数は増加の一途を辿っています。
小中年代での不登校を経て、義務教育年齢を超えた子どもたちの進路の一つが、「通信制高校」およびその学習等を支援する民間の「サポート校」です。少ない登校日数で高校卒業を目指せる柔軟な仕組みから、不登校経験や高校中退など困難な状況にある若者たちの受け皿となっています。通信制高校に在籍する生徒数は218,428名にまで増加しており、高校生の約20人に1人が通信制高校に在籍していることになります(文部科学省令和3年度「学校基本調査」)。
卒業生の3人に1人は「進路未決定」
高校生年代の学びの「選択肢」は広がっている一方で、その実態は課題も多く指摘されています。学校基本調査によると、通信制高校の卒業時の「進路未決定」の生徒は3割をこえています(令和2年度間卒業生)。
規制緩和によりさまざまな教育産業が通信制高校の経営に参入する中で、実態としてどのような教育活動や進路支援が行われているのか、教育の「質」があらためて問われています。また一方では、不登校経験や高校中退など困難な状況にある若者たちの社会への「渡り」を社会全体でどのように支えていくのか、学校だけでなく学校外の教育機関や地域社会、企業等も含めて、ともに考えていく必要があるのではないでしょうか。
約50~100万円かかるサポート校費用
もう一つの課題が費用面です。通信制高校で学ぶ際に、民間のサポート校を利用すると年間約50~100万円かかります。私立通信制高校のみの場合でも、通学日数やコースによって追加の費用がかかり、その分は「高校無償化」の対象外。家で一人で学習を進めるだけでなく、自分のペースで通学して、人との関わりも含めた「学校生活」を送ろうとすると、高額な費用がかかるのが現状です。
義務教育修了以降、10代後半という子どもから大人への移行期に、誰もが学びたいときに学び(なおし)、生き方としての「進路」を豊かに模索し拓いていくことのできる社会をつくっていきたい。私たちはそのような想いから、10代後半からの「もう一つの学びの場」として、フリースクールコスモ高等部を立ちあげました。
社会への「渡り」を支えるコスモ高等部の学び
ともにつくる居場所のような学び舎
これまでの背景も、いまの状況も、一人ひとり異なる若者たち。学校での否定的な体験から、対人関係や自己の存在に不安を抱える若者も多いです。その中で、コスモ高等部では、ゆるやかな居場所の中で他者と出会い、十分に受け入れられる体験を重ねる中で他者とともに生きる世界がしだいにひろがっていくような、関わりあい・学びあいを大事にしています。
高校卒業資格取得のためにやるべき課題はありますが、ここでの活動を、学びを、生活を、そしてフリースクールという場自体をともにつくっていく…そのような日常の小さな積み重ねの中で、生きる「主体」としての自分をとりもどし、つくっていくのだと思います。
「人が生き、働くリアルな世界」で学ぶ
10代後半の大きなテーマは、「自分はいったいどうやって生きていくの」という問いと向き合っていくこと。居場所での日常をベースに、学びのフィールドを「人が生き、働くリアルな世界」へとひろげながら、自分たちはどんな世界に生きているのか、自分は・自分たちはどう生きていきたいのか、具体的な人・モノ・コトとの出会いの中で生き方としての「進路」を拓いていくことを大事にしたいです。
コスモ高等部には、これまでの実践の中でつくってきたコミュニティ・ベーカリーや農場、ICT工房といった「働くことを学ぶ場」や、地域の企業や市民とのつながりなど、さまざまな教育資源があります。それらを活用しながら、「答え」がない中で仲間とともに試行錯誤していくたのしさや、地域の営みに参加する中で世界が広がっていくおもしろさなど、働くこと・生きることの「原体験」になっていくような学びをつくっていきたいです。そのような学びを地域の方々と一緒につくっていくことを通して、子ども・若者が育っていく地域コミュニティをあみなおしていきたいと考えています。
全ての若者の学びと進路形成の機会を保障していくために
小さな学び舎を継続的に運営するためにみなさまのご寄付が必要です
いま私たちが直面している課題は、運営費をどう継続的に確保していくかです。制度化されていない「フリースクール」という手づくりの学び舎。現在は月々2.7万円の会費で運営していますが、現状のままでは、学びを展開していくために必要なスタッフを増やすことができません。一方で、会費を上げると、生活困窮や社会的養護などさまざまな背景をもつ若者たちの参加を保障していくことが困難になります。
今後、この取り組みを持続可能なものにしていくためには、みなさまからのご寄付が必要です。10代後半の若者たちの学びと進路形成を豊かに保障していくために、ぜひ「サポーター(寄付会員)」として私たちの活動を継続的に支えていただきたいです。「青年前期のフリースクール」という新しいモデルを、一緒につくっていく仲間になってください。よろしくお願いします。
運営法人について
NPO法人 文化学習協同ネットワークが運営しています
「人はもっとやさしくて」「社会はもっとおもしろい」
私たち文化学習協同ネットワークは「子どもと若者の居場所づくりと学びの創造」をミッションとして、1974年より、子どもたちの学習支援や不登校児童・生徒の居場所づくり、若者の社会参加や就労支援を行ってきました。
子どもと若者が仲間と関わり合い、学び合うことを通して、生き生きと躍動する心と体を回復し、広い世界へ向かって心が開かれていく。「自分らしく輝くために、学ぶ力を育てる、働く力を身に付ける」そんな学びの場やプログラムを提供しています。
私たちは活動を通して、子どもや青年たちが進学・復学や働くためのスキルを学ぶだけではなく、まわりの人と協同する力を育み、他者および自分への信頼を取り戻すよう応援しています。
2013年3月に認定NPO法人を取得しました
ご寄付の税制優遇について
フリースクールコスモ高等部を運営する特定非営利活動法人 文化学習協同ネットワークは、東京都より認定を受けた「認定NPO法人」です。認定NPO法人へのご寄付は税制優遇の対象となり、所得税や住民税が減額されます。また相続税に対しても同様に、寄附をした財産の価額が免除されます。また法人についても認定NPO法人への別枠損金算入限度額が設定されており、認定NPO法人への寄付を行うことでの税制上のメリットがあります。詳しくは内閣府のWebサイトをご覧いただくか、最寄りの税務署にてお問わせください。
- 所得税
(36,000円-2,000円)×40%=13,600円 - 住民税
(36,000円-2,000円)×10%=3,400円
→ 合計:17,000円の控除
※東京都にお住いの方が、税額控除した場合です。控除には限度額があり、実際の税額は、ケースにより異なります。